【シドニー共同】オーストラリアの首都キャンベラの国会議事堂で21日行われたチャールズ英国王の歓迎式典で、オーストラリアの先住民で無所属のリディア・ソープ上院議員が、演説中の国王に対し「(先住民から)盗んだ土地を返せ」と罵倒する騒ぎがあった。  ソープ氏は式典に先住民の衣装で出席。国王に背を向けて立ち、抗議の意を示した。「あなたはわれわれの国王ではない。大量虐殺者だ」とののしり、警備員に退場させられた。  屋外では君主制に反対する小規模の抗議行動があったが、大きな混乱はなかった。  オーストラリアの先住民は、18世紀の英国人の入植時は少なくとも30万人いたとされるが、感染症や虐殺行為で20世紀初頭に6万人ほどまで減少。「白人社会同化」を目的に先住民の子どもを親から隔離する措置も1970年代まで行われた。  英国王は現在もオーストラリアの国家元首だが、国内では共和制に移行すべきだとの意見も根強い。歓迎式典を主催したアルバニージー首相も共和制論者だ。


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