取材に応じる松田邦紀前駐ウクライナ大使
2022年2月のウクライナ侵攻後、最前線で外交を担った松田邦紀前駐ウクライナ大使(65)が22日、東京都内で取材に応じ、約3年間の任期を振り返った。北朝鮮が派兵すれば「事実上の参戦」だと指摘し、戦争が「東アジアの安全保障と完全にリンクしたことを意味する」と影響を懸念した。北朝鮮やロシアに厳しい圧力をかける必要性を訴えた。 松田氏は戦争を国連安全保障理事会の常任理事国であるロシアによる「戦後秩序に対する暴挙」と捉え、当事国だけでなく「日本の問題でもある」と強調した。国際社会の支援によってウクライナが望む「公正で永続的な平和」を実現することが、終戦への唯一の道だとした。 北朝鮮が派兵に至ったのは「ロシアの兵力が十分ではない可能性がある」と指摘。北朝鮮兵が戦場で統合軍事作戦のノウハウを得て朝鮮半島に戻れば周辺の安保環境が激変するとし「日本や米国も真剣に受け止める必要が出てきた」と述べた。 侵攻後、日本はウクライナに殺傷能力のない防衛装備品のほか、越冬対策、地雷除去などの支援を行ってきた。
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