ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカなどで構成するBRICSの首脳会議が22日にロシア西部カザンで開幕した。ロシアで過去最大規模の外交イベントとして市街地などでは厳戒態勢が敷かれる中、BRICS加盟国各国の代表団やメディア関係者が相次いでカザンを訪れた。
22日は中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席ら各国首脳が相次いでカザンに到着し、同日午後にはロシアのプーチン大統領と首脳会談を開いた。ロシアのウシャコフ大統領補佐官によると今回の首脳会議には36カ国が参加する。
首脳会議の開催期間中、BRICS加盟国各国や招待国の代表団ら約2万人がカザンを訪問すると予想されている。現地の空港や市街地には警官が多数配置されて検問を強化するなど厳戒態勢の警備が敷かれた。
ロシアメディアによると、カザンの地元の大学には首脳会議の警備を担当する治安機関の職員3000人分が宿泊できる施設を準備された。
安全上の理由で道路の交通規制が実施され多くの学校が休校となったほか、カザンの観光名所なども安全上の理由で閉鎖された。歴史的な建造物であるカザン・クレムリンは首脳会議の開催期間を含む約1週間は観光客の入場が制限されるという。
カザンはロシアの首都モスクワの東約800㌔㍍に位置するタタールスタン共和国の首都だ。
ロシアは議長国を務めた過去のBRICS首脳会議でも地域活性化を狙い地方都市で開催してきた。2009年の首脳会議は中部の工業都市エカテリンブルクで開催された。
ロシアがウクライナへの侵略を続ける中、ウクライナからドローン(無人機)による攻撃が遠距離に及ぶようになり、カザン空港は予防措置として今夏以降はたびたび運航が規制されている。
欧米諸国が対ロ制裁を続けており、24年のBRICS議長国であるロシアは孤立回避をアピールする狙いがある。開催国のロシアのメディアだけでなく、海外メディアもBRICS加盟国やロシアの友好国を中心に参加している。
首脳会議の運営組織によると、59カ国から約2,000人の記者がカザンを訪問するという。そのうち半数が海外メディアだ。会場に入るために必要なIDカードを受け取る施設には数時間待ちとなる長蛇の行列ができた。
会場には中国や中東とみられるメディアの記者が目立つ中、一部には欧米諸国からの記者も参加した。ドイツの首都ベルリンから来たという記者は「BRICSの経済規模が拡大する中、欧州とBRICS諸国の連携の状況を取材したい」と述べた。
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