ウクライナ侵攻を続けるロシアは10月29日、北海道に面したオホーツク海などで、戦略核戦力の演習を行ったと発表しました。「大規模な反撃」を想定したもので、大陸弾道ミサイル(ICBM)や巡航ミサイルを発射し、核戦力を誇示しました。
潜水艦から発射…光の矢が雲突き抜ける
国防省は演習を動画で公開しました。オホーツク海では戦略原子力潜水艦から潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「ブラワ」を発射。穏やかな波間から打ち上げられた1つの光が雲を抜けて空高く飛んでいく様子も映し出されました。
極東に向けて核弾頭搭載可能なミサイル
ロシア北西アルハンゲリスク州のプレセツク宇宙基地からは極東カムチャツカ半島に向けて核弾頭が搭載できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ヤルス」が発射されました。
また、戦略爆撃機「Tu-95」も演習に参加し巡航ミサイルを発射しました。
プーチン大統領「核使用は国家の安全確保のため」
ベロウソフ国防相は演習の目的を「敵の核攻撃に対する大規模な反撃」を想定したものだとし、すべてのミサイルが目標に到達したとしています。
演習に先立ちプーチン大統領は「核兵器の使用は国家の安全を確保するための例外的な措置だ」と演説。「軍拡競争に参入するつもりはないが、必要十分な水準の核戦力を維持する」と主張しました。
戦略核演習」は侵攻後3年連続…欧米をけん制
ロシアが戦略核戦力の使用を想定した演習はウクライナ侵攻開始後、3年連続です。
プーチン大統領はことし9月、核兵器の使用条件を定めた「核ドクトリン」を改定する方針を表明し、ウクライナを支援する欧米諸国も核攻撃の対象になることを示唆しています。
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