日本は、唯一の戦争被爆国として核兵器廃絶に向けた決議案を毎年、国連に提出していて、ことしの決議案は1日、軍縮を扱う国連総会の第1委員会で採決が行われ、賛成多数で採択されました。
採択は、1994年から31年連続で、核保有国のアメリカなどを含む145か国が賛成しました。
一方、ロシアや中国、北朝鮮など6か国が反対しました。
決議では、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのプーチン大統領などの発言を念頭に、無責任な核の威嚇への懸念を表明したうえで、特に核保有国に対し「核兵器の使用に関するいかなる扇動的な発言も慎むことを求める」としています。
また「一部の核保有国による質量ともに不透明な核戦力の向上を懸念する」としたうえで、あらゆる核兵器を削減し、最終的には廃絶するために努力するよう求めています。
さらに、ことしのノーベル平和賞に選ばれた日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会に触れ「世界中で長年、草の根の活動を通じて、被爆体験を次世代に伝えてきた」として各国の指導者や若者が現地への訪問や交流などを通じて被爆の実相への理解を深めるよう呼びかけています。
岩屋外相「大きな意義がある 国際社会の機運一層高める」
岩屋外務大臣は談話を発表し「核軍縮をめぐる国際社会の分断の深まりに加え安全保障環境が一層厳しさを増す中、決議案が核兵器国であるアメリカ、イギリスを含む多くの国々の幅広い支持を得て採択されたことは大きな意義がある」としています。
そのうえで「日本は、決議案を通じ『核兵器のない世界』の実現に向けた国際社会の機運を一層高めるとともに、現実的かつ実践的な取り組みを粘り強く着実に進めていく」としています。
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