米国務長官が中東に出発 関係国と協議へ
アメリカのブリンケン国務長官は28日、中東のサウジアラビアに向け、首都ワシントン郊外の空軍基地を出発しました。
30日にかけてサウジアラビアを訪問し、イスラエルとイスラム組織ハマスの間で戦闘の休止と人質の解放に向けた交渉が続く中、関係国と協議を進めることにしています。
ホワイトハウスのカービー大統領補佐官はABCテレビのインタビューで「ハマスは交渉を完全に拒否したわけではない。イスラエル側からの提案を検討中だ」と述べた上で「交渉がまとまれば、6週間、ガザ地区で南部ラファを含め戦闘が止まる。その後、それが長く続くことを期待している」と述べ、恒久的な停戦を目指す考えを改めて示しました。
ハマス代表団 29日にもエジプト訪問 イスラエル提案を協議へ
イスラエル軍は、多くの避難者を含めおよそ120万人が暮らすガザ地区南部ラファへの地上作戦を行う構えで、28日、軍トップのハレビ参謀総長が今後の作戦計画を承認したと発表しました。
その一方、ハマスとの間ではエジプトなどの仲介で戦闘の休止と人質の解放に向けた交渉も行われていて、イスラエル側は合意が実現すればラファへの地上作戦を停止する姿勢も示し、交渉の行方に注目が集まっています。
複数の地元メディアはハマス関係者の話として、ハマスの代表団が29日にもエジプトを訪れて、イスラエル側からの新たな提案について協議をすると伝えています。
この提案についてアメリカのニュースサイト、アクシオスは、イスラエルは人質が解放されれば、戦闘の終結について協議する用意があると、ハマスに初めて提案したと報じていて、これまで一貫して停戦を求めていたハマスがどのような回答をするかが焦点になっています。
一方で、ガザ地区で深刻な人道状況が続くなか、アメリカが海からの食料などの搬入に使う仮設のふ頭の建設を始めていて、イスラエル軍は27日、その建設現場だとする映像を公開しました。
イスラエル軍はアメリカ中央軍などとともに準備を進めているとしていて「人道支援物資を増やすために全力を注いでいる」とアピールしていますが、WFP=世界食糧計画はガザ地区北部で住民の70%が壊滅的な飢餓に直面しているとみられると懸念を示すなど、食料支援が急務になっています。
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