タイ南部のアンダマン海に面するリゾート地プーケット。街を歩いていて目に付いたのが、柱や壁などに貼られたロシア語のステッカーだ。ロシア、ウクライナ、カザフスタンの国旗が描かれ、通信アプリ「テレグラム」のQRコードが付いている。ロシア語が堪能な友人に尋ねたところ、「プーケット・チャンネル」と題され、現地のイベント情報や最新ニュースなどを発信しているという。

タイ南部プーケットで10月中旬、街のあちこちに貼られていたロシア語のステッカー

 プーケットでは、レストランやマッサージ店など、そこかしこにロシア語があふれている。ホテルで荷物を預ける際、男性従業員の一人にタイ語が通じず、英語で出身地を尋ねたところ、「カザフスタン」と答えた。土産物屋で働くベトナム人の女性従業員が、流ちょうなロシア語でロシア人家族とやりとりをする場面にも遭遇した。  タイ観光・スポーツ省によると1~9月にタイを訪れたロシア人観光客は約116万人で、日本人の約76万人を大きく上回る。ロシアによるウクライナ侵攻から来年2月で3年。ビーチで寝転んだり、波打ち際で水遊びをする姿からは、図らずも母国で広がる厭戦(えんせん)気分が伝わってきた。(藤川大樹、写真も) 

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。