【ワシントン=浅井俊典】アメリカ大統領選は5日、投票が始まった。初の女性大統領を目指す民主党候補のハリス副大統領(60)と共和党候補のトランプ前大統領(78)は支持率が拮抗(きっこう)しており、大接戦が予想される。勝敗は即日判明せず、数日後になるとの見方が強まっている。  米フロリダ大の4日時点の集計によると、8200万人以上が郵便を含む期日前投票を済ませた。両陣営ともに期日前投票を奨励しており、前回2020年大統領選の投票者数の5割をすでに超えた。

◆激戦州の一部では郵便投票開封作業に独自ルール

 ニューヨーク・タイムズ紙は、大勢の判明には数日かかる可能性があると報道。勝敗を左右する激戦7州のうち、東部ペンシルベニアと中西部ウィスコンシンは、規定により投開票当日まで郵便投票の開封作業に着手できないため、結果判明は6日以降になる見通し。郵便投票で投票日までの消印を認める西部ネバダは、判明に5日以上かかるとしている。

新たな住人を待つホワイトハウス(資料写真)

 ハリス氏は4日、ペンシルベニア州で演説し、「米国は新たなスタートを切る準備ができている」と未来志向の姿勢を強調。「私は異なる意見の人にも耳を傾け、全ての人々の大統領になる」と米国社会の分断解消を訴えた。  トランプ氏は、3州を回る強行日程でインフレ解消や不法移民の取り締まり強化などをアピール。「カマラ(ハリス)が政権にいた4年間は労働者にとってひどい経済状況だった」と主張し、白人労働者層の支持固めを図った。

◆州ごとの開票で選挙人が積み上がる仕組み

 大統領選は各州などに割り当てられた選挙人計538人の過半数獲得を争う。開票が進み州ごとの勝敗が判明し次第、各候補が獲得した選挙人数が積み上がる。政治サイト、リアル・クリア・ポリティクスによると、日本時間5日午後5時時点でハリス氏は選挙人の211人、トランプ氏が219人を固めたとされる。全米世論調査の平均支持率はハリス氏48.7%、トランプ氏48.6%で競っており、結果が読めない展開となっている。 

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