【ワシントン=浅井俊典】米大統領選は5日(日本時間6日午前)、開票が始まった。米主要メディアによると、女性、アジア系として初の大統領を目指す民主党候補のカマラ・ハリス副大統領(60)は東部マサチューセッツ州など3州と首都ワシントンで勝利を確実にした。返り咲きを狙う共和党候補のドナルド・トランプ前大統領(78)は南部フロリダ州など8州を押さえた。東部ペンシルベニアなど激戦7州で激しく競り合い、接戦となっている。

◆勝者判明には日数を要する可能性

 米社会を二分する対決に有権者の関心は高く、米フロリダ大の5日午後時点の集計によると、郵便を含む期日前投票は8500万人を超えた。一部の激戦州で郵便投票の集計に時間がかかることなどから、勝者の判明に日数を要する可能性がある。  大統領選は全米50州と首都ワシントンに割り当てられた計538人の選挙人のうち、過半数の270人を得た候補が当選する仕組み。獲得人数は日本時間6日午前10時時点で、ハリス氏が27人、トランプ氏が90人。

◆爆破予告、脅迫メールも

 今回の大統領選では政治的な分断を背景にした暴力事件への警戒が高まっており、激戦州の投票所に警察官を配置するなどの厳戒態勢が敷かれた。米メディアによると、中西部ミシガンなど激戦3州の投票所に爆破予告のメールが送られ、南部ジョージア州フルトン郡の投票所では職員らが一時避難した。連邦捜査局(FBI)は5日、脅迫メールはロシアのドメイン(ネット上の住所)からだったと発表した。  選挙戦は、多様性を重視し未来志向を掲げたハリス氏と、「米国を再び偉大に」をスローガンとするトランプ氏の争いとなった。ハリス氏は5日、ラジオ番組に出演し、「今回は米国に新しい世代の指導者をもたらす選挙だ」と述べて投票を呼びかけた。  トランプ氏は5日、南部フロリダ州パームビーチで投票後、記者団に対し「非常に順調だと聞いている」と自信を見せた。前回選挙後には敗北を認めないトランプ氏の支持者らが議会襲撃事件を起こしたが、「私の支持者は暴力的な人々ではないし、私はいかなる暴力も望んでいない」と述べた。


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