【ウィーン=共同】人工知能(AI)を使って敵を攻撃する自律型致死兵器システム(LAWS)の規制について議論する国際会議が29日、オーストリア政府が主催して首都ウィーンで始まった。2日間の日程。オーストリアのシャレンベルク外相は演説で、AIを使った兵器について「人が管理することを確実にするために今こそ国際的なルールと規範に関して合意すべき時だ」と呼びかけた。
シャレンベルク氏はAI兵器が「すぐに世界の戦場に広がる」と指摘し、技術の進歩に対して政治が遅れていると主張した。
LAWSは実用化すれば、火薬と核兵器に次ぐ「第3の軍事革命」になると指摘される。武力行使の判断が瞬時に下り、一気に紛争化する恐れがある。
関係筋は、AIを使った兵器の開発競争が起きているという意見も出ていると説明。「予防措置を取るための時間は急速に少なくなっている」と訴え、AI兵器への対応は切迫した問題だとの認識を強調した。
会議には日本も出席。パネルディスカッションなどが行われる。
LAWSを巡っては国連総会が昨年12月、「対応が急務」とする決議案を日本や米国などの賛成で採択した。総会でのLAWS関連決議は初めてで、課題をまとめて総会に報告するようグテレス事務総長に求めた。
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