【ワシントン=鈴木龍司】5日に投票された米大統領選で、共和党のトランプ前大統領(78)が、最後まで結果が出ていなかった西部アリゾナ州での勝利を決め、激戦7州で全勝した。主要メディアが9日報じた。トランプ氏は民主党のバイデン大統領(81)と13日にホワイトハウスで会談し、政権移行の準備を本格化させる。

◆高まる「トリプルレッド」の可能性

バイデン大統領㊧とトランプ氏

 開票に時間を要してきた西部ネバダ州とアリゾナ州の勝敗が決したことで、全米50州と首都の結果が出そろった。選挙前は「歴史的な大接戦」と予想されていたが、トランプ氏は31州で勝利。大統領選挙人計538人のうち約6割の312人を獲得し、226人のハリス副大統領(60)を大きく上回った。  大統領選と同日に投票された連邦議会選は一部の州で開票作業が続き、共和党が下院(定数435)で多数派維持に近づいている。CNNテレビによると、11日午前0時(日本時間11日午後2時)時点で共和党は214議席を獲得し、民主党は205議席となっている。  共和党は上院で4年ぶりに多数派奪還を決めており、赤をシンボルカラーとする共和党が大統領と上下両院の多数派を独占する「トリプルレッド」の可能性が高まっている。

◆次期大統領と会談するのは慣例

米ホワイトハウス

 バイデン氏は13日にトランプ氏を大統領執務室に招き、政権移行に向けて協議する。米国では現職大統領が、選挙に勝利した次期大統領をホワイトハウスに招待して会談するのが慣例となっている。  2020年の前回大統領選では、敗北を受け入れなかった現職のトランプ氏が当選者のバイデン氏を招かなかったが、「平和的な政権移行の実現」を掲げるバイデン氏は慣例に従う。


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