【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(11月12日の動き)
アメリカ国務省のパテル副報道官は12日の記者会見で、1万人以上の北朝鮮の兵士がロシアに派遣され、その大半がウクライナ軍が越境攻撃を続ける西部クルスク州に移動したとしたうえで、「ロシア軍とともに軍事作戦を始めたことを確認した」と述べました。
アメリカ政府が北朝鮮の兵士による戦闘参加をおおやけに認めるのは、今回が初めてです。
一方で、戦況への影響については「ロシアが北朝鮮の兵士を戦場で活用できるかは、いかに自国の軍に統合できるかにかかっている。それにはことばの壁などの課題がある」と述べました。
アメリカはロシアと北朝鮮の結び付きに懸念を深めていて、ブリンケン国務長官は、13日にかけてブリュッセルで開かれるウクライナ支援会合に出席し、各国の外相らとこうした問題を協議し、対応していくことにしています。
林官房長官「ロ朝軍事協力の進展を強く非難する」
林官房長官は、午前の記者会見で「北朝鮮の兵士がウクライナに対する戦闘に参加しているとアメリカ政府が発表したことは承知しており、日本政府も同様の認識を持っている。ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、最近のロ朝軍事協力の進展の動きを強く非難する」と述べました。
そのうえで「こうした動きは、わが国を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点からも深刻に憂慮すべきものだ。ウクライナにおける一日も早い公正かつ永続的な平和の実現に向け、国際社会と緊密に連携して取り組んでいく」と述べました。
ウクライナ国防省高官 “北朝鮮の目的は実戦経験“
ウクライナ軍が越境攻撃を行っているロシア西部のクルスク州では、ロシア軍と現地に派遣された北朝鮮軍の兵士からなる、およそ5万人の部隊が編成され、数日以内に大規模な攻撃を仕掛ける見通しだとアメリカの有力紙が伝えています。
これについてウクライナ国防省のコワレンコ国際協力局長が12日、首都キーウでNHKの取材に応じ、「ロシアがすでに1万1000人の北朝鮮の部隊をクルスク州に配置したことは把握しているが、今のところ活発な活動はしていない」と述べ、北朝鮮軍との本格的な戦闘は始まっていないという見方を示しました。
そのうえで「北朝鮮は戦闘のためだけでなく実戦での経験を積ませるために部隊を派遣している。この経験は兵士が北朝鮮に戻ったとき、周辺国にとって危険なものになるだろう」と指摘し、北朝鮮軍がウクライナとの戦闘に加わることは、日本や韓国などにとっても将来的に脅威になりうるという考えを強調しました。
ウクライナ情勢 ロシアによる軍事侵攻 最新情報・解説 - NHK特設サイト
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