日本国籍の取得が認められたのは、フィリピン西部のブスアンガ島に住むアカヒジ・サムエルさん、82歳です。
サムエルさんは太平洋戦争中、沖縄県出身の父親が抗日ゲリラに殺害されたあと、フィリピン人の母親や兄弟と島に取り残され、戦後は差別を恐れて日本人であることを隠して暮らしてきたということで、日本国籍もフィリピン国籍もない無国籍の状態でした。
残留日本人の国籍取得を支援する日本のNPOが去年、沖縄県内に親族がいることを突き止め、日本で戸籍を新たに作る手続きを行い、15日、サムエルさんの日本国籍の取得が認められたということです。
これにあわせて日本から3人の親族がサムエルさんのもとを訪れ、国籍の取得を伝えるとともに、父親が殺害された場所で手を合わせました。
サムエルさんは「ここまで会いに来て伝えてくれたことが本当にうれしいです。私たちは家族になれました」と喜びを語りました。
いとこにあたる香村幸男さんは「ことばがありません、感無量です」と話していました。
支援にあたったNPOによりますと、フィリピンにはいまも無国籍の状態で日本国籍の取得を希望する残留日本人がおよそ50人いるということです。
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