【ビエンチャン共同】日米中韓ロなど8カ国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の拡大国防相会議が21日、ラオスの首都ビエンチャンで開かれた。予測困難なトランプ米政権の再来を来年1月に控え、南シナ海などアジアの安全保障を巡り各国が応酬した。中谷元・防衛相とオースティン米国防長官、中国の董軍国防相らが出席した。 会議に合わせASEANと米国は、双方の共同海洋演習を来年5月にマレーシア沖で実施することで合意した。東南アジア軽視が指摘されるトランプ政権となっても緊密な関係を維持するための布石の意味合いがあり、南シナ海で威圧的行動を続ける中国へのけん制が狙い。共同演習は2019年以来2回目。 ASEANでは、南シナ海の領有権を巡る中国との緊張が最重要課題の一つ。外交筋によると、会議でオースティン氏は中国の艦船による威圧的行動を「不法ないじめ」と断じ、ASEAN各国の主権を侵害していると非難した。これに対し董氏は「対立は二国間の関係で解決すべきだ」と強調し、米国の関与は不要だと訴えた。
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