オンラインでインタビューに応じる杉山晋輔元駐米大使(共同)

 第1次トランプ米政権の2018年1月から21年1月に駐米大使を務めた杉山晋輔氏は、攻撃的な印象が強いトランプ次期大統領について実際は温かく人の意見にも耳を傾ける素顔があると語った。エスタブリッシュメント(既存の支配層)に反発する姿が人気の根源だと指摘した。  ―トランプ氏の人柄は。  「数回直接話したことがある。事件での起訴や乱暴な言動が物議を醸すのは問題だが、本質的には優しさや温かみがある。報道されていることが全てではない。強烈な魅力で熱狂的な支持を得ているのは間違いない。北大西洋条約機構が好きではないというのは本当だと思う。欧州や米国のエスタブリッシュメントが持つ『上から目線』的なものに『おかしい、いんちきだ』という本能的な反感を持っており、それが市民の共感を呼んだ」  ―日本外交に求めるものは。  「首脳外交の役割が大きくなり、安倍元首相のように信頼関係を築いて堂々と向き合うことが重要だ。一方、指導者が誰であれ根本にあるのは国と国との関係だ。日米だけでなく東アジアや世界に有益な同盟に発展させる責任を果たすと期待している」

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