【NQNニューヨーク=稲場三奈】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、15時現在は前週末比386ドル64セント高の4万4683ドル15セントで推移している。トランプ次期米大統領が新政権の財務長官を指名し、米経済が堅調さを保ちつつ債務膨張を抑えられると期待した買いが入っている。米長期金利が大幅に低下し、株式の相対的な割高感が薄れたとみた買いも広がっている。
トランプ氏は22日夜、投資家のスコット・ベッセント氏を財務長官に指名した。同氏はヘッジファンドのキー・スクエア・グループを率いており、減税や関税などの税財政を中心に、経済成長を促す政策に前向きとみられている。市場では、「経済に精通している人物の採用が安堵をもたらした」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声が聞かれる。
市場では「ベッセント氏が次期政権の他のメンバーよりも貿易政策に対してより穏やか(な対応)になることは確か」(エバコアISIのクリシュナ・グーハ氏)との見方もある。トランプ氏が主張してきた減税や関税などの政策が財政悪化や高インフレにつながるとの懸念があったため、ベッセント氏の起用で不安感が和らいだのも相場の支えとなった。25日の米債券市場では長期金利が前週末比0.14%低い(債券価格は高い)4.26%を付ける場面があった。
個別では、シャーウィン・ウィリアムズやナイキ、キャタピラーなどが高い。メルクやアマゾン・ドット・コムにも買いが入っている。一方、エヌビディアやウォルマート、シェブロンは下げている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日続伸している。
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