【NQNニューヨーク=稲場三奈】27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6日続伸して始まり、午前9時35分現在は前日比126ドル90セント高の4万4987ドル21セントで推移している。取引時間中としては初めて4万5000ドルを上回る場面がある。米経済の底堅さを示す指標の発表を受け、買いが先行している。もっとも、感謝祭の祝日を前に持ち高を一方向に傾ける動きは限られ、小幅な上昇にとどまっている。
朝発表の2024年7〜9月期の米実質国内総生産(GDP)は前期比年率で2.8%増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想と前回速報値に並んだ。市場では、「米経済の勢いには底堅さがあることを示した」(LPLファイナンシャルのジェフリー・ローチ氏)との見方があった。
週間の米新規失業保険申請件数は21万3000件増と、市場予想(21万5000件増)を下回った。労働市場が堅調だということも、投資家心理の支えとなっている。10月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前月比で0.2%上昇した。食品とエネルギーを除くコア指数は同0.3%上昇となり、いずれも市場予想に一致した。
28日は感謝祭の祝日で、休暇を取る市場参加者も多いとみられる。ダウ平均は前日まで連日で最高値を更新した後で、主力株の一部には利益確定や持ち高調整の売りも出やすい。
個別では、ユナイテッドヘルス・グループやナイキ、シェブロンが高い。半面、セールスフォースやエヌビディアは下落している。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落して始まった。サイバーセキュリティーのクラウドストライク・ホールディングスが下げている。前日夕発表の24年8〜10月期決算と併せて示した24年11月〜25年1月期見通しが物足りないとの受け止めから、売りが先行している。
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