外国為替市場でロシアの通貨、ルーブルは急落していて、ロシア中央銀行によりますと28日の時点で1ドル=108ルーブルまで値下がりしています。

これはロシアがウクライナヘの軍事侵攻を開始した直後、おととし3月中旬以来の安値となります。

通貨安の要因としてはアメリカ政府による新たな金融制裁があるとみられています。

アメリカ政府は21日、ヨーロッパ向けに輸出される天然ガスの決済で重要な役割を担っているロシアの大手金融機関ガスプロムバンクなどを新たな制裁対象に加えると発表しました。

決済が難しくなるとの見方からドルなどの外貨を調達し、ルーブルを売る動きが加速したものとみられています。

ロシアでは軍事侵攻の長期化で人手不足が深刻になったり、軍事費の支出が膨らんだりしてインフレが加速しています。

ルーブル安によって輸入物価が押し上げられインフレが一段と進むおそれもあります。

ロシア中央銀行は急激なインフレを抑え込むため10月には政策金利を21%に引き上げていますが、個人や企業にとっては借り入れの金利負担が重くなり、ロシア当局は難しいかじ取りを迫られています。

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