台湾総統府によりますと、頼清徳総統は1日、ハワイにあるシンクタンクで行われた非公開の座談会に出席し、英語で演説しました。

この中で頼総統は、中国による軍事的な圧力を念頭に、台湾が防衛や経済安全保障を強化していることを説明しました。

そのうえで近年の台湾とアメリカの協力について「台湾みずからの安全保障だけでなく、双方がインド太平洋地域の平和に対する共通の約束を果たすことをはっきりと示すものだ」と述べました。

そして「台湾とアメリカの連携は、半導体などのハイテク産業を強化するだけでなく、信頼できるパートナーとしての台湾の戦略的な重要性を示している」と強調しました。

頼総統のこうした発言には、トランプ次期大統領が台湾に対して防衛費の増額を求めたり、台湾の半導体産業の躍進によってアメリカが不利益を被っていると主張したりしていることが背景にあるとみられます。

頼総統は、今回の外国訪問で太平洋の島しょ国のマーシャル諸島とツバル、それにパラオを訪れる予定で、気候変動や公衆衛生などの分野での支援を通して、友好関係を深めたいという考えも示しました。

米ペロシ元下院議長と電話会談

就任後初めての外国訪問でハワイに立ち寄っている台湾の頼清徳総統はアメリカの民主党の重鎮、ペロシ元下院議長と電話で会談しました。

台湾総統府の報道官によりますと、この中でペロシ元下院議長は「もしインド太平洋地域に台湾が存在しなければ、地域の安全保障や世界経済に想像しがたい事態をもたらすだろう。台湾の国際機関への参加を支援し続ける」などと述べたということです。

これについて、中国外務省の報道官は2日の記者会見で「アメリカと台湾のいかなる形の公的な往来にも断固反対する」と反発しました。

ペロシ氏は、下院議長を務めていたおととし8月に台湾を訪問し、これを受けて中国は、対抗措置だとして、台湾周辺で7日間にわたって大規模な軍事演習を行いました。

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