日中の有識者らが両国をめぐる問題を議論する「東京―北京フォーラム」(言論NPOなど主催)が4日、東京都内で開かれた。開会式で岩屋毅外相があいさつし、両国間の「懸案の解消と協力の拡大に向けて、しっかりと議論を行う」ために、早期に中国を訪問したいとの意欲を示した。

 岩屋外相は、日本人向けの短期滞在査証(ビザ)免除措置が再開されたことに触れ、「日中関係のニュースにも前向きなものが少しずつ増えてきた。日中関係は再び前に力強く進み始めた」と指摘。「この歩みをさらに推し進めていくために、私自身もできるだけ早く中国を訪問したい」と話した。適切な時期に中国の王毅(ワンイー)・政治局員兼外相の日本訪問を実現したいという考えも示した。

 また、ウクライナや中東での情勢を挙げて「世界情勢は近年、大きな変革のときを迎えている」としたうえで、こうした課題に対し「国際社会に大きな責任を有する日中両国が、しっかりと議論を行うことが重要だ」と述べた。

 王毅氏もビデオメッセージを寄せ、「歴史問題、台湾問題などは非常にデリケートで重要だ」などとくぎを刺しつつ、「正しい方向に進む中日関係は、地域と世界の平和と発展にとって重要かつ積極的な意義がある」とした。また、日本人向けビザ免除措置の再開について、「中国人の善意と開放性を示した」として、「より多くの日本の人たちに中国を訪れてもらいたい」と訴えた。

 東京と北京で交互に開いてきたフォーラムは今年で20回目。今回は「多国間協力に基づく世界秩序と平和の修復に向けた日中協力」を主テーマとし、ガザやウクライナで戦争が続き、分断を深める世界で、世界が共有するルールを基本とした国際秩序の構築について話し合う。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。