【パリ=北松円香】フランスのマクロン大統領は5日、辞任したバルニエ首相の後任を「数日内に」指名すると述べた。国民に向けたテレビ演説で明らかにした。自身の辞任は改めて否定し、2027年までの任期を全うすると語った。
マクロン氏はこの日、元法相で仏南西部ポー市のフランソワ・バイル市長と昼食をとった。中道の「民主運動」議長でもあり、次期首相の有力候補の一人とされる。仏メディアは他にルコルニュ国防相などを候補として報じている。
マクロン氏は4日に仏国民議会(下院)でバルニエ内閣の不信任案が成立したことについて、賛成票を投じた野党の左派連合の新人民戦線(NFP)や極右の国民連合(RN)を批判した。「極右と極左が反共和国の共同戦線を張った」と主張した。
バルニエ内閣の退陣により、25年度予算案が年末までに成立しないリスクが高まっている。マクロン氏は今年度の予算を来年度も当面踏襲できるようにする特別法を12月中旬までに成立させると述べた。
7月上旬に決選投票があった下院選で与党連合が敗北してから、マクロン氏が当時のアタル首相の後任としてバルニエ氏を指名するまでは2カ月かかった。左派、中道、極右に分裂した議会の支持を得られる人選が難航したとの受け止めが広がった。
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