シリアでは、反政府勢力がここ数日間のアサド政権側との激しい攻防戦の末に、5日、中部の要衝ハマ市を制圧したと発表しました。

アサド政権も「民間人の命を守るため、部隊をハマ市の外に再配置した」として、事実上撤退を認めました。

今後、反政府勢力は、ハマから40キロ余り南に位置し、首都ダマスカスの入り口にあたる主要都市ホムスに向けて部隊を進める構えで、これに対しアサド政権側は、ホムスに200台以上の軍用車両を送り込むなどして守りを固めているという情報もあり、今後、ホムスをめぐる攻防が激しくなることが予想されます。

シリアでは、アサド政権を軍事面で支えてきたレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラがイスラエル軍との戦闘で弱体化し、ロシア軍もウクライナ侵攻の対応に追われているとされるなか、その隙を突くかたちで反政府勢力が勢力を急拡大させています。

アメリカのニュースサイト、アクシオスは5日、イスラエルの情報機関がアサド政権の防衛線が予想より早く崩れていることに驚いているという反応を報じたほか「アサド政権に差し迫った危険があるとは考えていないが、過去10年間で最大の課題に直面している」というアメリカ政府高官の話を伝えています。

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