8日、シリアの首都ダマスカスで、アサド政権の崩壊を祝う人たち(ゲッティ=共同)

 【イスタンブール共同】「自由だ」「解放された」「将来が心配」。シリアのアサド政権が8日崩壊し、市民の間で喜びや不安が交錯した。異なる民族や宗教宗派が共存するシリア。各地で祝砲が鳴り響く一方、反体制派の弾圧を恐れて身を潜める人もいる。政権側施設では略奪も起きた。先行きは見通せない。  交流サイト(SNS)の投稿によると、首都ダマスカスの大統領府は反体制派が占拠し、政権側施設の略奪とされる映像が出回った。空港には多くの人が押し寄せた。刑務所から拘束されていた女性や子どもが救出され、首都に帰還する人々による大渋滞も起きた。  「強権的な政権が崩壊し、とてもうれしいが、同時に非常に恐れている。何が起きるか分からない状況だ」。首都中心部に住む銀行員ハーレド・タレブさん(50)が電話取材に対し、不安げな様子で語った。  今回の攻勢を主導するのは国際テロ組織アルカイダ系組織が前身の「シリア解放機構」。タレブさんは、イスラム主義組織タリバンが制圧した「アフガニスタンのような厳しいイスラム統治は望んでいない」と訴えた。

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