イスラム主義勢力タリバンが実権を握るアフガニスタンの首都カブールの役所近くで11日に爆発があった。政府関係者や地元メディアによると、難民担当相を務めるハリル・ラフマン・ハッカーニ幹部ら複数が死亡したという。

 ハリル氏は、タリバン内の強硬派として知られるハッカーニ派の主要メンバー。おいのシラジュディン・ハッカーニ幹部は内相を務めており、タリバンの軍事・政治部門に大きな影響力を維持してきた。

 2021年8月に実権を握った後、暫定政権は治安の回復を成果として誇ってきた。報道官を務めるムジャヒド幹部は「かつてないほど安全になった」と取材に答えていたが、主要閣僚が爆発の犠牲になるのは異例で、大きな痛手となる。

 11日夕方時点で犯行声明は出ていないが、アフガニスタンでは過激派組織イスラム国(IS)の支部がたびたび爆破事件を起こしてきた。

 昨年1月には、カブールにある外務省近くで爆発が起き、少なくとも5人の民間人が死亡。今年5月には、世界遺産の仏教遺跡で知られる中部バーミヤンで爆破が起き、スペイン人観光客らが犠牲になった。いずれも、ISが事件後に犯行声明を出している。

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