韓国のユン・ソンニョル大統領は12日午前、およそ30分間にわたる国民向けの談話を発表しました。
談話では、国会などでのこれまでの野党の対応を批判し「大統領の『非常戒厳』を宣言する権利の行使は司法審査の対象にならない統治行為だ」と正当化しました。その上で、「弾劾であれ、捜査であれ、私はこれに対して堂々と立ち向かう」と強調しました。

談話を受けて与党「国民の力」のハン・ドンフン(韓東勲)代表は、党として弾劾に賛成する必要があるという考えを示しました。

ただ、別の与党幹部は12日午後、記者団に対して「現在、党の方針は弾劾案の否決だ。方針を変更するには、議員の3分の2以上の同意が必要だ」と述べて議員総会を開き、党内で議論を続ける立場を示しています。

一方で最大野党「共に民主党」などの野党6党は12日夕方、ユン大統領の弾劾を求める議案を国会に再び提出しました。

議案は、13日の本会議で報告され、野党側は14日の採決を目指すとしています。

議案の可決には与党から少なくとも8人の賛成が必要となっていて、与党議員がどれだけ賛成に回るかが焦点です。

韓国ユン大統領“弾劾・捜査に立ち向かう”「非常戒厳」正当化

ソウルの中心部では12日午後もユン・ソンニョル大統領の弾劾を求める市民の集会が開かれました。

路上を埋め尽くした参加者は「内乱の首謀者、ユン」などと書かれたプラカードを掲げて、弾劾を求める議案の国会での可決やユン大統領の捜査を進めるよう求めていました。

ユン大統領を支持するグループも集会

一方、この集会から歩いて5分ほどの場所で同じ時間帯に、ユン大統領を支持するグループも集会を開き、参加者は韓国の国旗などを手に「ユン・ソンニョルを守れ」とシュプレヒコールをあげていました。

また参加者たちはカードを掲げて、自身の不正疑惑をめぐり複数の裁判を抱える最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表を逆に拘束するべきだと訴えていました。

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