【NQNニューヨーク=横内理恵】12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比19ドル62セント安の4万4128ドル94セントで推移している。足元で上昇が目立っていたハイテク株の一角に利益確定売りが出て相場の重荷となっている。半面、ダウ平均は前日までの5営業日で865ドル下げたことでやや過熱感が和らいでいる。米利下げ期待も支えとなり、上昇に転じる場面がある。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は11日に初めて2万台に乗せた。人工知能(AI)の開発加速や普及が業績成長を後押しするとの見方から半導体やクラウド、ソフトウエア関連株などが広く物色され、次期トランプ政権の政策の恩恵を受けるとされるテスラにも買いが続いた。12日はハイテク株にかわって製薬株などが物色されている。
12日朝発表の11月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.4%上昇とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.2%上昇)を上回り、前年同月比の伸び率は2.6%から3.0%に加速した。食品価格の上昇が大きかった。エネルギーと食品を除くコア指数は前月比0.2%上昇し、市場予想に一致した。
一方、同日発表の週間の米新規失業保険申請件数は24万2000件と市場予想(22万件)に反して増加し、2カ月ぶりの高水準となった。米連邦準備理事会(FRB)が17〜18日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを続けるとの見方も投資家心理の支えとなっている。
ダウ平均ではエヌビディアやユナイテッドヘルス・グループ、キャタピラーの下げが目立つ。一方、メルクやコカ・コーラ、シスコシステムズなどが上げている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反落して始まった。前日に大幅高だったテスラや半導体のブロードコムなどが売られている。ソフトウエアのアドビの下げも目立つ。前日夕に決算とあわせて発表した業績見通しが市場予想を下回った。
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