【米州総局】米労働省が12日発表した11月の卸売物価指数(PPI)は前月比の上昇率(季節調整済み)が0.4%となった。ダウ・ジョーンズ集計の市場予測(0.2%上昇)を上回った。上昇率は2カ月連続で伸びた。
品目別でみると、11月は製品の価格が前月から0.7%上昇した。鶏卵価格が54.6%上昇し、全体をけん引した。生鮮・乾燥野菜や鶏肉加工品などの価格も上昇した。一方、油糧種子の価格は前月から4.7%下がった。
サービスの価格は前月から0.2%上昇した。機械・車両の卸売サービス手数料が1.8%上昇した影響が大きい。証券取引サービス、自動車用燃料・潤滑剤の小売りサービス、アパレル小売りサービスの手数料も上昇した。一方、旅客航空サービスの手数料は前月から2.1%低下した。
PPIの前年同月比(季節調整前)の上昇率は3.0%だった。前月の上昇率から0.4ポイント伸びた。変動の激しいエネルギー・食品・物流を除いた価格指数は同3.5%上昇と伸び率は前月から横ばいだった。
調査会社パンテオン・マクロエコノミクスのチーフ米国エコノミスト、サミュエル・トゥームズ氏は「PPIの上昇は主に鳥インフルエンザの感染拡大の影響を受け高騰した鶏卵が背景にある」と指摘。「PPIのデータがインフレ圧力(の上昇)を示している根拠は見られない」と分析した。
- 【関連記事】米CPI、底堅さも「想定通り」 12月利下げほぼ織り込む
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。