2日、報道陣に公開されたのは、セーヌ川にほど近いパリ中心部の地下に建設された、直径50メートル、深さ30メートルの巨大な貯水槽です。

セーヌ川はことし7月に開幕するオリンピックと8月に開幕するパラリンピックでトライアスロンやマラソンスイミングなどの競技会場となっています。

しかし市によりますと、市内の下水施設が古いため、まとまった雨が降ると処理しきれない下水があふれて川に流れ込んでいるということで選手たちが泳ぐには水質の改善が必要だと指摘されてきました。

新たに完成した貯水槽は、競技用プール20杯分にあたる5万立方メートルの雨水などを一時的にためることができ、その後、時間をかけてポンプで下水処理場に送る仕組みで、5月にも稼働を始める予定だということです。

市では、川の上流で浄水場の整備なども同時に進めて水質の改善を図り、大会後の2025年夏には、市内3か所に遊泳場所を設ける方針です。

貯水施設の完成式典で、パリ市のイダルゴ市長は「かつて泳げたセーヌ川でもう一度泳ぐことは、私たちの夢だった」と述べ、セーヌ川の水質改善を大会のレガシーとしたい考えを強調しました。

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