在沖縄米海兵隊の米領グアムへの移転が始まった。沖縄県を訪問中の中谷元防衛相が14日、地元首長らと面会して伝えた。第1段階としておよそ100人の移転を2025年度中に完了させる。日米両政府が06年に在日米軍再編計画に合意して以来、海外への部隊移転が実現するのは初めてとなる。
日米は沖縄の基地負担軽減の一環として、在沖縄米軍の隊員ら1万9千人のうち最終的に9千人ほどを海外移転させる計画だ。そのなかで在沖縄海兵隊員は4千人以上がグアムに移る。
まず移転作業を始めたのは「第3海兵機動展開部隊」の後方支援要員で、残りの隊員はこれから段階的に移転を予定する。
米海兵隊は中国、北朝鮮などへの抑止力の一端を担う。海外移転の完了後も離島防衛にあたる「第12海兵沿岸連隊(MLR)」などは沖縄に残留する。
日米は06年にまとめた在日米軍再編の最終報告で、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の代替施設を名護市辺野古に建設すると同時に、在沖縄海兵隊8千人を14年までにグアム移転させると合意していた。
民主党政権下で普天間基地の辺野古移設が停滞するなどの事態を受け、計画が一時凍結された。12年に計画を変更し、移転対象の9千人のうち4千人以上をグアム、残りをハワイや米本土に移転させると決めた。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。