国連の安保理では17日、シリアを訪れている国連のペデルセン特使と、OCHA=国連人道問題調整事務所のトップを務めるフレッチャー事務次長がビデオ通話で現地の情勢を報告しました。
このなかでフレッチャー氏は暫定政権の指導部との会談について「勇気づけられるものだった。人道支援の大幅な拡大についても約束を得られた」と述べ、活動への協力をとりつけたことを報告しました。
そのうえで「すべての国が人道支援の取り組みを進める必要がある。制裁やテロ対策が支援の妨げにならないようにすることも含まれる」と述べ、欧米などがアサド政権に科してきた経済制裁の解除が必要だという考えを示しました。
また、ペデルセン特使は「シリア人の90%が貧困のなかで暮らしている」と述べて支援の必要性を強調するとともに、「紛争はまだ終わっていない」と述べ、シリアの多くの地域では依然、情勢が不安定だという見方を示しました。
さらにイスラエル軍がシリア国内の軍事施設などに空爆を繰り返すとともにシリアとの緩衝地帯に部隊を進め、駐留を続けていることについて「市民を危険にさらし、秩序ある政権移行の見通しを損なうものだ」と非難し、直ちにやめるよう求めました。
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