米ウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=三輪恭久】3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸して始まり、午前9時35分現在は前日比463ドル34セント高の3万8689ドル00セントで推移している。同日発表の4月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が市場予想を下回る伸びにとどまった。賃金上昇のペースも鈍化し、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始が先送りになるとの懸念が後退。ダウ平均の上げ幅は500ドルを超える場面がある。

4月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比で17万5000人増えた。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(24万人増)を下回った。平均時給は前月比の上昇率が0.2%と市場予想(0.3%)以下となり、失業率は前月に比べ0.1ポイント高い3.9%となった。

市場では、米労働市場の過熱感が薄れる方向にあるとの見方が広がった。賃金インフレの長期化でFRBの利下げ転換が先延ばしになるという警戒が薄れ、米債券市場では長期金利が低下(長期債価格は上昇)。4.4%台後半と、前日終値(4.58%)を下回って推移している。金利の低下で、株式の相対的な割高感が薄れたとみた買いも入っている。

ダウ平均の構成銘柄では、アムジェンが大幅高。一時は前日比15%高となった。前日夕に2024年1〜3月期決算を発表した際に、肥満症治療薬の開発が順調に進んでいることを明らかにした。収益に貢献するとの観測が高まり、買いが集まっている。

アップルは8%高となる場面がある。前日発表の24年1〜3月期決算では減収減益となったものの、売上高と1株利益が市場予想を上回った。増配と自社株買い枠の追加も発表し、好感した買いが入っている。

そのほかでは、ゴールドマン・サックスやマイクロソフト、ホーム・デポが高い。一方、ジョンソン・エンド・ジョンソンとシェブロンは下落している。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸して始まった。エヌビディアやテスラなどが上昇している。

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