朴裕河氏(2022年撮影)

 【ソウル=上野実輝彦】旧日本軍の慰安婦問題を扱った著書「帝国の慰安婦」の記述が元慰安婦の名誉を傷つけたとして、名誉毀損(きそん)罪に問われた朴裕河(パクユハ)・世宗(セジョン)大名誉教授(67)の差し戻し控訴審が12日あり、ソウル高裁は罰金1000万ウォン(約110万円)の二審判決を破棄し無罪を言い渡した。  聯合ニュースによると、高裁は「差し戻し前の二審で有罪とされた表現は、学問的主張ないし意見として評価するのが妥当だ」とし、「被害者の名誉を傷つけるとは判断し難い」と説明した。  著書を巡っては、慰安婦と日本軍が「同志的関係」にあったなどとする記述を問題視した元慰安婦らが2014年に刑事告訴し、検察が在宅起訴。一審は無罪だったが二審で有罪となり、朴氏と検察の双方が上告した。  最高裁は昨年10月、学問における表現の自由の制限には慎重を期すべきだと指摘。著書の記述は「学問的な主張」に当たるとして「無罪の趣旨」の判断を出し、審理を差し戻していた。  著書は、「旧日本軍による強制連行」を元慰安婦の支援団体が強調するのは実態と隔たりがあるとして再考を促すなどの内容。 

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