フィリピンのドゥテルテ前大統領は在任中、違法薬物の撲滅を掲げて警察官による容疑者の殺害を認める姿勢を示すなど「麻薬戦争」と呼ばれる強硬な取り締まりを主導し、死者は政府の発表だけでも6000人を超えています。
遺族らが国家による超法規的な殺人が行われたと批判を強める中、上下両院が調査に乗り出し、ドゥテルテ氏らを呼び出して聞き取りを行いました。
このうち、下院議会の委員会は18日、調査報告書をまとめたと発表し、この中で「麻薬戦争」で行われたとされる超法規的な殺人の犠牲者が3万人以上にのぼると指摘した上で、ドゥテルテ氏と側近の上院議員、さらに当時の警察長官らを人道に対する罪で告訴するようフィリピン政府に勧告しました。
議会での公聴会で、ドゥテルテ氏はみずからの責任を認める姿勢を示す一方で、「国のために行った」として取り締まりの正当化もしていました。
現政権ではドゥテルテ氏の娘が副大統領を務めているだけに、今回の勧告を受けてどのような対応を打ち出すかが焦点となります。
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