韓国のユン・ソンニョル大統領が宣言した「非常戒厳」をめぐり、大統領の弁護団の選定に関わる弁護士が19日に記者会見を行いました。

この中で、内乱などの疑いで捜査が進められていることについて、「予告して行う内乱がどこにあるのか。国政の正常化のために必要だった」と述べ、非常戒厳を正当化したユン大統領の主張を改めて繰り返しました。

また、非常戒厳の際に、国会に突入した特殊部隊の当時の司令官が、ユン大統領から直接電話で「議場の中にいる議員を引っ張り出せ」と指示を受けたと証言したことなどに関連し、「大統領は、逮捕しろとか引きずり出せとか、そういうことばは使っていない」と否定しました。

さらに、ユン大統領が捜査機関の出頭要請に応じていないことや、弾劾が妥当か判断する憲法裁判所が送っている書類を受け取っていないことなどから、捜査や弾劾の手続きを遅らせているとの批判も出る中、会見では、大統領の対応に関する質問が相次ぎましたが、「選定された弁護団が答える。私は答える立場にない」として明言を避けました。

韓国検察 元情報司令官を逮捕 ”中心人物の1人”報道も

「非常戒厳」をめぐる捜査で、軍の司令官たちが次々に逮捕される中、検察は18日に、軍のOBであるノ・サンウォン元情報司令官を新たに逮捕しました。

韓国の複数のメディアは、ノ氏について、現役の軍人ではないものの、すでに逮捕されているキム・ヨンヒョン前国防相と親しい関係だとして、「非常戒厳」を計画した中心人物の1人だという見方を伝えています。

ノ氏をめぐっては、「非常戒厳」が宣言される2日前の12月1日に、ソウル近郊のハンバーガー店に現役の軍幹部と集まって戒厳について話し合ったと報じられています。

韓国メディアは、戒厳に伴って行われた中央選挙管理委員会への部隊の展開について、ノ氏がハンバーガー店で具体的に指示したと伝えていて、戒厳をめぐるノ氏の役割に注目が集まっています。

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