【ワシントン共同】米移民・税関捜査局(ICE)は19日、9月30日までの1年間で国外に強制送還した移民が約27万人に上り、過去10年間で最多だったと発表した。大半が南部国境から違法に流入していた。トランプ次期大統領は来年1月の就任初日に大統領令を発し「史上最大の強制送還」に着手する考えを示しており、送還数は一層増える可能性がある。 ICEの年次報告書によると、強制送還された移民のうち、約8万8千人が犯罪行為で訴追されるなどした。送還先はメキシコやグアテマラなど192カ国に上った。近年増えている中国からの移民をチャーター機で送還した。 2021年のバイデン政権発足後、受け入れに寛容な政策への期待から南部国境で不法移民が急増した。政権は対策強化に踏み切り、強制送還者の増加につながったが、不法移民のごく一部とみられる。 トランプ氏は大統領選で不法移民対策を最重要課題に掲げ、勝利につなげた。大統領就任後、メキシコ国境での「国境の壁」建設再開などが取り沙汰される。
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