バークシャー・ハザウェイの株主総会会場、前日の前夜祭(ネブラスカ州オマハ)

【オマハ(ネブラスカ州)=竹内弘文、伴百江】米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイは4日、株主総会を開いた。バフェット氏は日本の大手商社株の投資機会に「圧倒的な説得力」があったと語った。株式を一部売却した米アップルは「極めて素晴らしい事業」と述べ、主要銘柄であり続けると説明した。

バフェット氏は主要な投資先が米国企業であることを改めて説明したうえで、例外として日本の大手商社5社への投資を挙げた。「圧倒的な説得力があり(overwhelmingly compelling)、2019年の投資開始から1年をかけて商社5社の株式が我々の(上場株保有)資産の数パーセントを占めるまで増やした」と述べた。

24年1〜3月期に保有株式の13%程度を売却したアップルについて、評価が変わったのか問われるとバフェット氏は否定した。売却の背景には売却益にかかる税率21%が今後上昇するとの見立てがあるという。

「今後もう少し高い税率で売却するのなら、今年アップル株を多少売ったという事実を皆さんがきにすることはない」と株主に語った。「24年末時点で最大の保有株である可能性が極めて高いと思う」とも述べた。3月末時点でアップル株はバークシャーの上場株保有の約4割を占めた。

今年の総会には世界中から株主約4万人が集まった。総会にはアップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)、米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEO、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏も参加している。

投資待機資金は3月末に1889億ドル(約28兆9000億円)と過去最高水準に積み上がった。バフェット氏は6月末までに2000億ドルまで拡大する可能性を示唆した。「もっと投資に振り向けたいが、低リスクで投資収益をあげられる投資でなければ、投資は難しい」と語った。

バフェット氏の盟友といわれたチャーリー・マンガー副会長が昨年に死去して初めての総会となった。今後のバークシャーの経営方針や、バフェット氏の後継者といわれているグレッグ・アベル副会長とアジット・ジェイン副会長にどのように事業を継承するのかもテーマとなる。

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