ロシア国防省は6日、プーチン大統領の指示を受けて「非戦略核兵器の核戦力の任務遂行を強化する目的で、演習の準備を開始した」と発表し、戦術核兵器を扱う部隊による演習を近く行うと明らかにしました。

演習はウクライナへの軍事侵攻の出撃拠点となっているロシアの南部軍管区で、航空機や艦艇などで編成されるミサイル部隊が行うとしています。

演習のねらいについて、国防省は「ロシアに対する西側当局者の挑発的な発言や脅迫に対し、ロシアの領土一体性と主権を確保するためだ」などと主張しています。

また、ロシア大統領府のペスコフ報道官も6日、一部の欧米諸国の間ではウクライナへの部隊の派遣が検討されていると主張した上で「緊張激化のまったく新たな段階だ。前例がない事態であり特別な注意と措置が必要だ」と述べました。

ロシアでは、7日から、プーチン大統領の通算で5期目の任期が始まるのに続き、9日には、政権側が重視する第2次世界大戦の戦勝記念日を迎えます。

プーチン政権としてはこれを前にロシア軍の核戦力を誇示し、国威発揚を図るとともにウクライナを支援する欧米側をけん制するねらいとみられます。

ウクライナ報道官「核による脅しはプーチン政権の常とう手段」

ロシアが戦術核兵器を扱う部隊による軍事演習の準備を開始したと発表したことについて、ウクライナ国防省情報総局の報道官は6日、ウクライナメディアに対し「声明以外に新しいことは何もない。核による脅しはプーチン政権の常とう手段だ」と述べて、非難しました。

米報道官「無責任な発言でまったく不適切だ」

アメリカ国防総省のライダー報道官は6日、記者団に対し「無責任な発言で、現在の安全保障環境を考えると、まったく不適切だ」と述べ、強く批判しました。

その上で「彼らの戦略部隊の態勢に変化は見られないが、監視を続けていく」と述べ、引き続き、ロシアの動向を注視していくと強調しました。

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