イスラエルとハマスの間の戦闘休止と人質解放に向けた交渉について、ハマスは6日、声明を発表し、仲介国のカタールとエジプトに対し「停戦合意についての彼らの提案を受け入れると伝えた」と発表しました。

仲介国の提案の内容について、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、3つの段階に分かれ、それぞれ42日間の戦闘休止が盛り込まれていると伝えています。

そのうえで
▽第1段階では、ハマス側が女性や子どもなどの人質33人を解放し、イスラエル側が収監している多数のパレスチナ人を釈放するのに続いて
▽第2段階で、ハマス側が男性兵士を含む人質を追加で解放するとともに、イスラエル軍がガザ地区から完全に撤退し
▽第3段階では、国連や仲介国の関与のもとでガザ地区の復興に着手するなどとしています。

これに対しイスラエル首相府は、受け入れることができる条件で合意に達する可能性を最大化するため、エジプトに交渉団を派遣すると発表しました。

一方で、ハマスに軍事的な圧力をかけて人質の解放を進めるため、ガザ地区南部ラファでの作戦の継続を戦時内閣が全会一致で決めたと明らかにし、双方の戦闘が始まってから7日で7か月となる中、イスラエル側の対応が焦点です。

国連事務総長「不可欠な合意実現 この機会を逃してはならない」

イスラエルとイスラム組織ハマスの間での戦闘の休止と人質の解放に向けた交渉について、国連のグテーレス事務総長は6日、記者団を前にコメントし「私はきょう、イスラエルとハマスに対し、絶対に不可欠な合意を実現するためにより力を尽くすよう強く呼びかけた。この機会を逃してはならない。ラファへの地上作戦は人道上の壊滅的な結果をもたらし地域を不安定化させることになり、容認できない」と訴えました。

一方、イスラエル軍がガザ地区南部ラファの一部から退避するよう住民らに通告したことについて、国連人権高等弁務官事務所のトップ、ターク人権高等弁務官は6日、コメントを出し「爆弾と病気と飢きんに苦しんでいるガザの人たちは、イスラエル軍の作戦が拡大する中、再び退避するよう通告された。これは非人道的で、民間人の保護を最優先する国際人道法と人権法の基本原則に反する」と非難しました。

林官房長官「わが国としても引き続き働きかけ行っていく」

林官房長官は、午前の記者会見で「人質の解放や停戦をめぐっては今もまさに調整がなされているところで、今後の見通しは予断できないが、わが国としてもこのような動きが早期に実現するよう、引き続き関係者への働きかけを行っていく」と述べました。

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