ロシア軍によるウクライナ侵攻開始から2年あまりが経った。現地で支援活動を続け、ゼレンスキー大統領に表彰を受けた男性が「現地の今」を伝える。

「地下鉄の階段のところに寝ている。もう踊り場はいっぱいですし、170人ぐらいですね。来た当時は」

土子文則さん75歳。侵攻直後からウクライナに入り、現在は北東部の都市・ハルキウの地下鉄構内で、住民とともに生活を送っている。
一時帰国した土子さんは、5月7日に「原発事故の被災地」という繋がりからウクライナと交流を続ける福島県南相馬市小高区で、目にした「戦地」の状況を伝えた。

「私はただ単に、お腹が空いた人に食事を提供しただけ。通りすがりの人間になるか、それともそこで足をとめて手助けをちょっとするか。そこだけの差です」

現地の窮状を目の当たりにし、いてもたってもいられなくなった土子さんは無料の食堂「Fumi Caffe」を立ち上げた。
過酷な生活のなかに温かい食事を届ける活動がゼレンスキー大統領に認められ、日本人として初めて表彰された。

活動の原動力は「ウクライナの未来」それだけだ。

「ウクライナの復興はこの子たちが…。なんとしても…終戦、ウクライナがすべて勝利して取り戻して勝つまでは、守り抜くのが大人の責任だと思っております」

未来を照らす光となる子どもたちのため。
土子さんは図書館などの教育の場もつくりたいとし、ウクライナの復興に力を尽くす覚悟だという。

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