【ニューヨーク=佐藤璃子】国連総会は10日の緊急特別会合で、国連安全保障理事会がパレスチナの国連加盟を再検討するよう求め、国連におけるパレスチナの権利拡大を認める決議を採択した。採択に必要な3分の2以上にあたる143カ国が賛成した。米国やイスラエルなど9カ国は反対した。
安保理は4月、常任理事国でイスラエルの後ろ盾となっている米国の拒否権行使によりパレスチナの正式加盟を国連総会に勧告する決議案を否決した。これをうけてアラブ首長国連邦(UAE)が安保理での再検討を呼びかける決議案を総会に提出した。70カ国以上が共同提案した。
「パレスチナは国連憲章の第4条に従って国連に加盟する資格を有しており、加盟が認められるべきである」と明記した。正式な加盟国となるには安保理が加盟を勧告したうえで、国連総会で加盟国(193カ国)の3分の2以上の賛成を得て承認される必要がある。
一方、パレスチナの国連における権利拡大については、今回の決議採択で固まった。現在パレスチナは「オブザーバー国家」の位置づけにとどまるが、追加的な権利を得る。加盟国の中でアルファベット順に着席する権利や、提案や修正案を提出する権利、国連総会の委員会などで役員に選出される権利などだ。
決議は日本、中国、フランスを含む143カ国が賛成した。反対は米国やイスラエルなど9カ国のみだった。英国、ドイツなど25カ国は棄権した。
イスラエルのエルダン国連大使は「国連憲章を無視し、パレスチナに加盟国の特権を与えている」とし、安保理を通さず総会に地位向上の決議を持ち込んだことを非難した。
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