記者：
一言お願いします。
海外メディア：
きょうの調子は？
記者：
水原さん。一言お願いします。
日本時間5月15日午前3時過ぎ、米・ロサンゼルスの連邦地方裁判所の前に黒のスーツにノーネクタイで現れたのは、大谷翔平選手の通訳を務めていた水原一平被告です。
メディアの前に姿を現すのは、約1カ月ぶりとなります。
水原被告は、大谷選手の口座から日本円で約26億3500万円を不正に送金していたほか、納税申告の所得について、約6億3500万円を過少に申告していた罪に問われています。
海外メディア：
大谷選手とコンタクトは？
水原一平被告：
…。
海外メディア：
この件は書籍化するんですか？
水原一平被告：
…。
海外メディア：
みんな何が起きたのか知りたがっています。ドキュメンタリー化するんですか？
水原一平被告：
…。
記者からの問いかけには一切答えず、裁判所へ入る水原被告。
この時、水原被告の髪の毛に注目してみると、右耳にかかる白髪が目立ちます。
今年2月に行われたドジャースのイベントの時と比べると…、約3カ月余りで、白髪が増えているように見えます。
そして、裁判所の中へ入ると、初めて、報道陣のカメラを見つめる瞬間もありました。
今回の出廷では、現在担当の裁判官には「重罪」の有罪答弁を取り扱う権限がないため、水原被告は、手続きの形式上、無罪を主張しました。
裁判所から出てくると…
記者：
自分がやったことに対して反省の思いはありますか？水原さん一言お願いします。
水原一平被告：
…。
記者：
大谷選手に何か一言ありませんか？
水原被告の弁護士：
失礼…通してください。
記者：
水原さんを応援した人に何か一言。
水原一平被告：
…。
終始、無言を貫き、水原被告は立ち去りました。
水原被告が出廷したロサンゼルス連邦地方裁判所から、水本記者が最新情報を伝えました。
米・ロサンゼルス連邦地方裁判所前 水本翔記者：
水原容疑者は事件発覚後初めてメディアがいる前に姿を現しました。その際に何度もメディアから質問されたのですが、ずっと前を見て一言も言葉を発しませんでした。
米・ロサンゼルス連邦地方裁判所前 水本翔記者：
法廷には、傍聴希望の記者たちが50人ほど集まったのですが、判事の判断で、セキュリティーの都合として、法廷画家以外の傍聴は認められず、私たちは音声だけが聞こえる別の法廷へと案内されました。
この対応に現地メディアは抗議して、その場で署名を集めて傍聴できるように申し入れましたが、結局認められませんでした。
水原被告は問われている罪について理解しているかを確認されたうえで、きょうの判事に、重罪の有罪答弁を取り扱う権限がないため、手続きの形式上、「ノットギルティー」。つまり無罪だと答えました。その様子は淡々とした口調に聞こえましたが、実際にその様子を見ていた法廷画家によると、少し戸惑っている様子だったということです。
次回出廷では権限のある裁判官に変わるため、罪を認める答弁に変更する見通しです。
MC 谷原章介：
直に見た水原被告の表情はどのように感じました？
水本翔記者：
そうですね。私すぐ近くで見ていたんですが、メディアに囲まれている時はかなり眼を大きく開いて、私はまばたきの数も少ないように感じました。
ずっと前を見て、足早に通り過ぎる様子は深刻そうにも感じましたし、何よりも1回目の出廷の時よりも、少し頬がこけたような印象を受けました。
めざまし8スタジオでは、樋口国際法律事務所代表・国際弁護士の樋口一磨氏に解説してもらいました。
MC 谷原章介：
今回形式的に無罪を主張する、これはどういう意味があるんですか？
国際弁護士・樋口一磨氏：
アメリカの連邦の刑事手続きでは、実際に審理をして判決を下す裁判官の前にですね、手続き的に新たにこういう権利がありますよとか、起訴状届いてますね、内容理解してますか？そういう手続き的なことを行う方法がありまして、今回のような重罪なものには権限のない裁判官が手続き的のことを行うのが慣例なんです。まさに形式的に無罪主張をするという。
すでに司法取引にサインしていますので、これでひっくり返してしまうと、司法取引もひっくり返ってしまうので、それは通常あり得ないので、本来裁判を行う裁判官の前で新たに審理を行うときには司法取引通りにですね、罪を認めるというふうに考えられます。
堀池亮介アナウンサー：
今回の事件で、水原被告が支払わなければいけない金額、これが非常に膨大な金額となってきています。まずは、アメリカ財務省に対して、追徴課税分約1億8000万円。そして2つの罪の罰金最大、約1億9000万円です。さらに大谷翔平選手に対して、不正送金の総額分の支払い約26億3500万円。これだけの金額を支払えるのかというのが今後の焦点となってくると思いますが、支払う優先順位というものあるようで、大谷翔平選手に支払うよりも先に、米財務省に対しての支払い、これが優先順位として高くなってくるということでした。
MC 谷原章介：
これ樋口さん、30億円以上もの巨額の支払い、どうやって支払っていくのでしょうか？
国際弁護士・樋口一磨氏：
司法取引の中では、水原氏は自分の財産を全て開示して差し押さえられても異議を述べないという内容になっているので、アメリカにいる限り、彼がお金を作ればですね、そこから順次、国に吸い上げられていく形になります。とはいえ金額が金額で払えない、払えないのは一生ついていく。破産をしても、こういったものは免責されないです。
MC 谷原章介：
自己破産もだめなんですか？
国際弁護士・樋口一磨氏：
はい。
MC 谷原章介：
アメリカ国内にいる限りはそうなるとして、国外に出たらどうなんですか？
国際弁護士・樋口一磨氏：
国外に出ると、追いかけることはできますが、アメリカにいるのと同じように、日本の財産を国が押さえるというのには、もうワンステップ必要になります。
（めざまし8 5月15日放送より）
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