アメリカ・サンフランシスコで13日、オープンAIが発表した新しい対話型AI(人工知能)「GPT-4o」は、人間との会話をリアルに再現し、感情を表現することが可能になった。
このAIは、「AI家庭教師」や「高齢者の見守り会話ロボット」として生活の中に浸透することが期待されている。
声の抑揚も…感情表現が可能に
アメリカ・サンフランシスコで13日、生成AI「チャットGPT」の開発で有名な「オープンAI」が、人間とほぼ同じスピードで音声対話ができる新たなモデルを発表した。
この記事の画像(11枚)男性が「やぁチャットGPT。マークです。元気?」と話しかけると、GPT-4oは「やぁマーク。私は元気よ。ありがとう。あなたは元気?」と返した。
アメリカのオープンAIが、13日に発表した新たな対話型AI「GPT-4o」と、人が会話している様子を見ると、処理スピードが大幅に向上し、まるで人間を相手に会話をしているような滑らかさだ。
さらにAIが、声の抑揚やスピードをつけることによって、「感情」を表現することも可能になった。
男性が「もっと最大限、感情を込めてほしい」と言うと、GPT-4oは「わかったわ。最大限にドラマチックにね。昔あるところに~!私たちとあまり変わらない世界があった。ハ~…バイトは~ロボットの友達を見つけた。そしてひっそりと暮らしていた~」と抑揚をつけて話した。
これらの会話について、アメリカで生まれ育った英会話講師は驚きの声を上げた。
アメリカに22年居住歴のあるjoyn star・伊藤彩夏さんは「普通の人と話しているような感じで、感情があるような感じがして面白かった。そんなに違和感はなかった。AIとのやりとりが結構ナチュラルな感じで、自然な会話をしていて、ちょっとビックリした」と話している。
新しいAIは、日本語を含む50の言語に対応していて、文章などでのやりとりは14日から順次、音声を使用した機能は、有料会員から先行して数週間以内に使えるようになるという。
実際の生活の場に浸透も…期待
従来のモデルよりも、処理速度が2倍早くなったとされる新たなモデル。
ITジャーナリストの三上洋さんによると、「AI家庭教師」、「高齢者の見守り会話ロボット」、「家計管理」や「メンタルアシスタント」など、こうした生活の場に浸透するのではという。
「AI家庭教師」は、音声で勉強を教えるだけでなく、会話をしながら学ぶことができる。
さらに、声のトーンや返事の仕方で理解度を判定し、理解が足りていない部分は、それに関するテストを出して勉強させてくれるという。
デモンストレーションの映像では、紙に書いた1次方程式をカメラで映しながら、「段階的に解いていくのを手伝って」と言うと、すぐに答えを出さず、会話をしながらヒントを出して答えに導いていた。
また、「高齢者の見守り会話ロボット」は、1人暮らしの高齢者の会話相手に、人の表情を読み取る機能があるため、優しい言葉をかけてくれたり、一緒に喜んでくれたり、その会話から毎日の生活を離れた家族に伝えたり、会話の中で普段と違った様子や異変があれば、家族に緊急連絡してくれるという。
新たなAIが詐欺などに悪用されるなどの懸念もあるが、適切な使い方をする中で、今後の活用に期待したい。
このAIの音声機能は有料会員から先行して数週間以内に使えるようになるというが、本格的に活用された場合、どこまで広がりを見せるのか注目していきたい。
(「イット!」 5月14日放送より)
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