リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が進む岐阜県瑞浪市内で井戸やため池などの水位低下が確認された問題で、古田肇知事は21日、工事との因果関係や応急対策の評価などについて20日に会議を開いて専門家らから意見を聞いたことを明らかにした。今後、正式に環境影響評価審査会を開き、議論を進めるという。

 県によると、参加したのは、地質や地盤などの知見を持つ専門家7人のほか、JR東海と瑞浪市の担当者ら。影響の範囲をどう把握し、ボーリング調査で何を調べるのかといった技術的な側面のほか、水位が低下した瑞浪市大湫(おおくて)町での応急対策と恒久的な対策などについて話し合ったという。

 21日午後の定例記者会見で古田知事は「緊急で集まって意見を言ってもらった。論点について方針を定め、JR東海、地元を含めて作業を進める」と説明した。

 JR東海は2月に井戸の水位低下を把握したものの、県に報告したのは5月だった。古田知事は、地下水の水位低下などがほかの場所でも起きる可能性があるとして「JR東海、県、沿線市町との連携や情報共有をスムーズにやるべきだ」と述べた。

 JR東海は大湫町で20日から、代替水源となる井戸を設置する工事を始めた。県や瑞浪市などの要請を受け同日、トンネルの掘削工事を中断することを発表しており、ボーリング調査を終えるまでは再開しないという。(木村俊介)

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