京都市動物園からやってきたアムールトラの「オク」(富山市ファミリーパーク提供)

 京都市動物園(同市左京区)で人気者だった雄のアムールトラ「オク」(13歳)が14日、富山市ファミリーパークに引っ越した。同パークでは国内最高齢の雌「ミー」(19歳)を飼育中で、2頭とも親やパートナーに先立たれてから1頭だけで過ごしていた。既に2頭とも繁殖期を過ぎているため、今後同パークでゆっくりと余生を過ごす予定だ。

 アムールトラは、現存する最大のネコ科の動物。国際自然保護連合のレッドリストで絶滅危惧種に分類され、国内では25園で49頭が飼育されている。

 京都市動物園では今年4月、オクの母親が死亡。飼育環境が十分ではないことなどから、同動物園はトラの飼育を終了することを決め、オクの受け入れ先を探していた。

 一方、同パークでは22年、ミーのパートナーだった雄「ヤマト」が死亡。ミーは1頭だけで生きてきたが、飼育スペースが広いこともあり、繁殖期を過ぎた高齢のトラ2頭でゆっくり過ごしてほしいと、オクの受け入れを決めた。

 オクは現在、病気の有無や同パークの環境への順応具合などを確認中で、一般公開は6月を見込む。同パークにはすでに、京都のファンから「オクは元気か」などの問い合わせが来ているという。

 同パーク動物課の岸原剛さんによると、高齢のトラは、飲み込む力が弱くなるため餌の肉を細かくしたり、爪とぎなども出来なくなるため爪切りをしたりするなど、若いトラよりも気遣いが必要だ。岸原さんは「オクには少しでも長生きしてもらい、富山でも人気者になってくれるように、大切に飼育していきたい」と話した。【青山郁子】

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