JR東日本や京急電鉄、東武鉄道など関東の鉄道8社は29日、自動改札機に通す磁気切符を順次廃止し、QRコードを用いた切符に切り替えていくと発表した。改札機の維持コストを引き下げるとともに、使用済み切符をリサイクルしやすくするのが狙いという。

 各社が2026年度末以降に廃止するのは、自動券売機で買える近距離用の磁気切符。新たなQR切符は、同じサイズの紙にQRコードが印字され、改札機のリーダーにタッチする方式が想定されている。使用済みの切符は回収箱を設置する予定。入出場の情報は8社共用のサーバーで管理するという。新幹線など中長距離用の切符は、引き続き磁気式が用いられる見込みだ。

 磁気切符は裏面の磁気コーティングされた黒い部分に、発駅などの情報が書き込まれており、改札機に投入されると、ベルトとローラーで運びながら向きを変えたり情報を読み取ったりしている。一方で、改札機に切符が詰まるトラブルが絶えないことや、リサイクルには使用済み切符から磁気層の分離が必要となることなどが課題となっていた。

 各社によると、交通系ICカード「Suica」や「PASMO」の普及により、関東地区で切符の利用率は1割以下という。JR東は「紙の切符を残すため、QR切符を用いた持続可能なシステムに切り替えていく」と話している。(細沢礼輝)

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