文部科学省=東京都千代田区で2017年2月21日午前9時6分、北山夏帆撮影

 文部科学省は31日、大学などの在り方を検討する中央教育審議会(文科相の諮問機関)の特別部会に中間取りまとめの素案を示した。この特別部会では伊藤公平・慶応義塾長が国立大の学費の引き上げを提案したことが話題になったが、取りまとめ案には今後の議題として「質の高い高等教育のための授業料、公費支援、寄付金などの在り方」が挙げられるにとどまった。

 取りまとめ案は、少子化で2040年の大学進学者数が現在の約63万人から2割減の約51万人となり、その後10年間は50万人前後で推移すると推計。定員未充足や募集停止、経営破綻となる大学がさらに生じることも予想され、国公私立の枠を超えた連携、再編・統合についてより深化した取り組みが求められるとした。

 また、今後検討を深める必要がある論点として、財源の確保を挙げた。大学には人材の育成や研究基盤としての役割があるとして、公的な支援だけでなく民間からの投資も含めた多様な確保策を講じる必要性を指摘した。

 特別部会は25年3月をめどに一定の結論を出す。【井川加菜美】

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