日本で初めて完全に人の手で育てられ、人気者だったワモンアザラシ「ミゾレ」が19日、北海道小樽市のおたる水族館で死んだ。昨年11月末に大阪市の海遊館から繁殖のため同館へ引っ越していた。3歳での急死となった。

 ミゾレはオスで、2021年4月1日生まれ。海遊館で生まれた直後は低体温などで命の危険があったが、飼育員らが24時間体制で育てて回復。同館で前例のない完全人工哺育だった。

 同館が体重測定や泳ぐ様子の動画をSNSで公開すると、すぐに人気を呼び、動画は1千万回以上再生された。

 ワモンアザラシは本来、警戒心が強く、食事以外ではほとんど人に近寄らないといわれる。一方でミゾレは、その生い立ちから人なつこく、大阪では飼育員に自ら体をすり寄せる姿がみられ、小樽でも来館者に愛敬を振りまいていた。

 おたる水族館によると、今月初旬から食欲不振の症状があり、獣医師らが治療にあたっていたが、19日に死んでいるのが確認された。死因はわかっておらず、道内の酪農学園大学で解剖して明らかにする予定という。

 同館は今後、献花台を設けることを検討している。(新谷千布美、佐藤亜季)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。