21日の贈呈式で、昭島消防署の及川雄史署長から感謝状を手渡されたのは、武蔵村山市内の高校に通う2年生の宮田めいさん(17)と田中杏奈さん(16)です。

2人は先月、昭島市内の飲食店で、近くの席にいた高齢の女性が食べ物をのどに詰まらせて倒れた際に、119番通報しました。

このとき2人は、スマートフォンで現場の映像をリアルタイムで消防の指令室に送る「Live119」というシステムを使い、指令室からの指示に従って応急処置をしたということです。

女性は一時、意識不明の状態になりましたが、周囲にいた人の助けも借りながら救急車が到着するまで処置を続けた結果、意識が戻り、一命を取り留めました。

一方で、指令室に送られた映像には、通りかかった人が手で撮影を遮る様子も写っていて、東京消防庁は、このシステムを知らない人が生徒らが興味本位で女性の様子を撮影していると勘違いしたのではないかとみています。

今後、熱中症などで搬送者数が増えることが見込まれる中、東京消防庁は「Live119」の活用を進めるとともに、システム自体について周知を図ることにしています。

田中杏奈さんは「2人だけだとわからないことがあって不安でしたが、具体的な指示を受けながら応急処置ができた。将来は看護師になって今回の経験を生かしたい」と話していました。

東京消防庁多摩指令室の年森政弘室長は「今回は、Live119の映像を介して救命措置を具体的に伝えられた。1分1秒を争う救命措置で遅れが起きると、最悪の結果につながるおそれがある。引き続き、協力と理解をお願いしたい」と話していました。

「Live119」とは

「Live119」とは、スマートフォンのカメラ機能を使って、現場の映像をリアルタイムで消防の指令室に送るシステムです。

指令室が119番通報を受理し、音声通話だけでは状況把握が難しい場合など、職員が必要と判断した際に、通報者のスマートフォンにURLが記載されたショートメッセージを送ります。

通報者がそのURLにアクセスすると、現場の映像がリアルタイムで指令室に送られる仕組みです。

それによって救急車が到着するまでの間、指令室の職員が映像を確認しながら、通報者に具体的な応急処置の方法などを指示できるということです。

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