誕生当初から今も現役のソフトクリームのコーン=日世提供
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 7月3日はソフトクリームの日。戦後に日本で食べられるようになってから約70年がたち、さまざまな味わいの商品を楽しめるようになった。実はそれらを支える「コーン」の部分も時代とともに進化している。

 1951(昭和26)年7月3日、東京・明治神宮外苑で開かれた米軍主催のカーニバルの模擬店で、コーンに乗せたソフトクリームが日本で初めて販売された。それを記念し、90年代にソフトクリームメーカーでつくる「日本ソフトクリーム協議会」が7月3日を「ソフトクリームの日」に制定した。

 老舗ソフトクリーム総合メーカーでシェアトップの日世(大阪府茨木市)によると、「コーン」の英語のつづりは「corn(トウモロコシ)」ではなく、「cone(円すい)」。円すい形の容器という意味で、原料はトウモロコシではなく小麦粉が主体という。当初は輸入品が100%だったが、輸送中の破損や湿気の問題から、日世は53年に国産コーンを製造した。同社のコーンの国内シェアは現在75%という。

 日本が豊かになり、ソフトクリームの質やフレーバーが多様化すると、コーンも進化していった。80年代後半には、ざくっとした食感のワッフル模様のコーンを投入した。2000年代にソフトクリームの高級化が進むと、それに合うクッキー生地のコーンも開発した。味だけでなく、月桂樹(げっけいじゅ)をイメージしたコーンなどデザインのバリエーションも増やしている。

 ここ数年のトレンドは「健康志向やSNS(ネット交流サービス)を意識した商品」(担当者)と言い、小麦胚芽など食物繊維を含むコーンや竹炭を使った真っ黒なコーン、インバウンド(訪日外国人)向けに米粉を配合して紅白カラーにしたコーンなども誕生。今では約20種類のコーンを擁するが、こうした変化の中でも53年に製造・販売を始めたコーンも現役で、根強い人気があるという。【植田憲尚】

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