宮崎大(宮崎市)などの研究グループは3日、宮崎県日南市の大島周辺海域で、サンゴ礁を形成する能力のある「造礁サンゴ」の新種を発見したと発表した。同県延岡市の島浦島や熊本県天草市牛深の周辺海域でも生息を確認。群体によって赤や緑、茶色など多様な色があることから「ヘンゲカメノコキクメイシ」と命名し、国際学術雑誌電子版に公開した。
同大農学部の深見裕伸教授(サンゴ生物学)によると、この新種はこれまで別の造礁サンゴの形態変異と考えられていた。同大大学院農学研究科2年、岸大悟さん(31)らの研究グループによる分子系統と形態の解析により異なる種であることを確認し、個体間の溝の有無や個体の大きさなどから新種と判明した。
この新種は、他に長崎市高島、和歌山県白浜、串本両町、台湾北部周辺の海域でも生息していることが確認された。
深見教授は「今回の研究成果は、九州以北の温帯域で貴重で珍しい造礁サンゴが生息していることを証明した。今後の環境保全を考えていく上でも重要な発見だ」と話した。【下薗和仁】
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